遅まきながら、デイヴィッド・リンチの新作映画『インランド・エンパイア』を観てきました。
ひとことで言うと、コワイ!オソロシイ!
も〜何度も鳥肌が立って泣きそうになりました。
“超難解”“実験的作品賞受賞”“…夢?”など、様々な前振りを聞いていたので、さぞやワケワカランのだろうと覚悟して行ったのですが、
覚悟が人より大きかったみたいで、
思ったより断然ストーリーがあって、妙にリアリティを感じる作品に思えました。
何がリアリティかって、「日常に潜むひずみ」みたいなモノ、
時間軸とか人の怨念とか、そういうものがひずむと、
実際こんなことになっちゃうんじゃないか、
イヤ、本当はなってるんじゃないか、
今私が手に取っているのは、本当に赤いクレヨンなのか、
カメと私はどちらが早いんだ、
みたいな、自らの存在を疑うような、それでもココにいる自分、ていうリアリティってあるじゃないですか。
ちょっと分かりにくいけど、「なんか、そーゆーのありそー」と思わせる怖さがありました。
前作『マルホランド・ドライブ』も実在の地名で、ハリウッドの劇中劇ネタ。
映画の現場って、例えそれが演技でも、毎日色んな人が生まれたり、恋したり、死んだりしてる訳で、
確かに“人の情念”ってモノが渦巻いてそうだなぁ、と思う。
あ、そうそう、この映画をDVDでとか、TV放映を待って…と思っているなら
映画館に行った方がいいですよ。
私個人としては、『マルホランド・ドライブ』を映画館で観て、
さらに謎解きをしてやろうと思ってDVDを買ったのですが、まだ1回も観てないですもん。
やっぱ3時間トイレにも行けない感じで観るのがイイ!
ホントはハリウッドの試写室で観るのが一番いいのかも。(コワ〜!)
そして『インランド・エンパイア』を観てて気付いたのが、ドアップの構図。
顔の、ちょうど眉毛から唇くらいまでが、ギリギリフレームに入ってる。
オデコとアゴはちょん切られてるのね。そして眉間にシワ。
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』みたいな下から煽った構図じゃなくて、割と正面顔に近い感じで。
この構図が多用されてて、おまけに手持ちでDVカム(sony PD-150)で撮ってるもんだから、
画面は揺れるわ、暗闇では粒子は粗いわ、で、
被写体の気持ちが伝わってくるようで、なんかドキドキした。
そんなこんなで『今日のぬりえ』は、その構図だけをいただきました。
モデルはもちろん、私です。コワイですね。
リンチ作品に出てくる俳優のイメージになれば…と思ったけど、
映画を観てる時の私は、きっとこんな顔だったろうな。
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